龍だってセンパイ彼女の手作り弁当食べてたんだし……お弁当作ったりとかって、ポイント上がるかも。

……よし。作ってみよう、明日斗に。

私は決心するとスマホをタップして、お弁当レシピをリサーチし始めた。


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翌日。

「明日斗」

明るく。笑顔を忘れずに。

朝、私は明日斗の靴箱の前でニコニコと笑いながらお弁当を差し出した。

そんな私を明日斗は静かに見下ろしている。

「……なに」

自然に。自然に。

「今日ね、お弁当作ったの。明日斗の分も作ったからよかったら食べて。開けてみて気に入らなかったら無理して食べなくていいからね。容器も使い捨てだし。じゃあね!」

明日斗を見上げて小さく手を振ると、私は踵を返して駆け出した。

……ドキドキする。

食べてもらえないかも知れない。

でも、一応受け取ってもらえたし、何もしないよりはいいよね。

嬉しさと不安が入り交じった胸を押さえながら、私はクラスへと足を早めた。