……眼も合わせてくれない。

考えれば考えるほど苦しくなって、私は窓の外を眺めた。

……灰色だ、何もかもが。

数日前までは抜けるような青だった空も、正面玄関の花壇の花も。

その時だった。

私の席から離れた廊下側の席で、弾けるような笑い声が起こった。

……亜美の席に集まった理沙と由依達だ。

反射的にそっちを向いてしまったら由依と眼が合ってしまい、私は思わず立ち上がった。

「……」

「……」

いたくない、こんなとこ。

私はそのまま教室を出た。


゚*.。.*゚*.。.*゚


色々と考える。

トイレで聞いてしまった亜美、理沙、由依の言葉や、明日斗のウザそうな態度。

……もうやだ。なんでこんな事になっちゃったんだろう。

柵に寄り掛かって眼下に広がる屋根や道路を見ているうちに、ひとつの言葉が浮かんできた。


『自業自得』


じごうじとく


こうなったのは……自分のせい?

待って、ちょっと待って。

確かに私は明日斗にしつこくした。

そしたら明日斗がお前のそういうところがウザいって……。

じゃあ、亜美や理沙や由依は?

自分の事ばかりで何も聞いてくれないって……。

……そっか。

そうなんだ。

やっぱ……自業自得。

こうなったのは……全部自分のせいなんだ。