「明日斗っ!話はまだ、」

「俺がいつ『お前だけだ』っつったよ?!」

……え?

何かで頭を殴られたような感覚がした。


『俺がいつお前だけだっつったよ?!』


……だって、そんなの。

カレカノなんだから、そんなの……。

そんなの、当たり前じゃん!

その時小刻みに鳴るクラクションにハッとして、私は我に返った。

いつの間にか信号が赤になってしまっていた。

慌てて歩道へ戻った後、私はどんどん小さくなっていく明日斗の後ろ姿を呆然と見つめて思った。

……信じられない。

それに、さっきの女の子だって……それでいいの?


『俺がいつお前だけだっつったよ?!』


これって、この言葉って、さっきのあの子にだって当てはまるんじゃないの?!

それともあの子は本当に自分が選ばれたって思ってるの?

あまりにもショックで、しばらく私は動けずにいた。

゚*.。.*゚*.。.*゚

授業なんか全然頭に入ってこない。

ノートを録る気にもならない。

あれから三日が経つのに、明日斗は私に何も言ってこない。

LINEもなし。