学年が違うってどういうことだろう。夏菜子は楽しそうに携帯を見ている。

「差支えなければ教えてもらいたいんですけど」

「どうしたの急に敬語なんて使って」

「夏菜子の彼氏さんのお名前を教えてもらいたいのですが」

「ああ、溝中くん。ほら前に、バスケ部に格好良い新入生が入って来たって話したじゃない?」

口をぽかんと開けてしまった。

誰だ、溝中。
確かに前に格好良い子がいるって話は聞いたことがあるけれど。

ぱくぱくとするわたしに気付いた夏菜子が首を傾げている。

ちょうど教室に船川が入ってきた。