あのさ、と口を開く。

「付き合うことになった」

お弁当の中に入っていたミニトマトが転がるところだった。それをフォークで阻止して、顔を上げる。

「だ……もしかして」

「そのもしかして」

「おめでとう……!」

「あたしもまさかオッケー貰えるとは思わなくてさあ」

夏菜子が照れたように笑う。そんなことはない。傍から見ていても、二人は合っているとわたしは思っていたのだから。

「学年違うけど、体育館練習なのは一緒で助かった! 部活あるときは一緒に帰れるし」

「……うん?」