「ねぇ、どうして?詩くん」

どうして君がここにいるの?

「奏楽こそ」

「私は…遠足が山登りで喘息持ちだから先生に相談を…」

「そっか…」

「詩くんは?」

「俺?俺は…」

ぱっと笑顔になる詩くん。

え?

「そんな大したことじゃないよ。
俺も奏楽みたいなもん。持病持ちだから定期的に入院しなきゃいけないだけ」

「そーなんだ…」

詩くんに持病があったなんて…

「なに?奏楽、心配したの?」

「…したもん」

「ふっ…おいで、そら」


ふわっと詩くんの方に足を進めて、飛び込む


「心配したんだから…」


緊張がとけて、涙が出そうになる

そんな私を詩くんはよしよししてくれる。

それが心地よくてずっとこのままがいいなぁなんて思った時、詩くんの手が止まる


「ねぇ、奏楽?」