ガチャ

屋上には詩くんがいた。


いつもと同じ声で

「いらっしゃい」

って君が

いつもと同じ笑顔で


だから…だから…


私の胸は今こんなにも苦しい


でも、勇気を出して…

「?どーしたの、奏楽」


彼女いるの?、って

「おーい」

勇気を出して…

「ねぇ、詩くん…」

「ん?」

ちゃんちゃちゃちゃん

二人の会話を途切れさせたのは

歌くんのスマホにかかってきた電話


「ちょっと、ごめん…」


「うん…」


「もしもし…ちょ、華夏(はなか)…華夏!!!!」



もう分かっちゃったよそんなに焦って