「ねぇねぇ、さっきからさ、二階の窓からさっきいたお二人さん、俺らのこと見てるよ?」
あ? そんなの知ってるよ。動いててもそれくらいの気配は掴めるし。
「今はどうでもいい。」
「ほんと燐って面倒くさがりなところは変わんないよね。いや、やっぱ今のなしか?」
「ハァ、お前とやってても決着つかねぇ。 あと、独り言はやめた方がいいんじゃねぇ?」
「燐が聞いてるなら独り言じゃねぇし。後さ、今日は本当に放っといていいの?」
「・・・紅狼はあいつらの敵だろ。お前が手を貸す必要はねぇよ。」
「そりゃそうだ。“俺は”必要ないね。」
意味不明な言葉を残して朔夜は校舎に戻った。
もしかしたらあいつは何かに気づいているかもしれないと、思いながら。