「随分と情熱的だったね、燐。」
「は?」
どこから声がしたのか分からなかった。周りに人はいないし、後ろはドアだ。考えられるのは、俺のポケットに入っている携帯。
「・・・・・・朔夜、お前ずっと聞いてたな。」
「まぁね。そのまま退散なんてつまんないし。それにさ、俺、仲直りに協力してあげたんだからいいじゃん。」
「ッチ 良くねぇ。」
「ねぇ、燐。俺さ、あの2人なら燐を元に戻せると思うんだ。」
「ハッ 意味の分かんねぇことを。」
嘘。分かってる。けど、俺はまだそうなる訳にはいかない。
「ま、今はそういうことにしておく。さ、俺らもそろそろ本業開始しようか。」