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ピピッピピッピピビッ♪〜
「ん、朝?……ゲホッ、コンコン
のど痛っ…」
昨日の寒さで風邪をひいたのか、喉は痛く、咳が出ていた。強がりの郁美なので、熱を測ることもせず、朝食もとらないで家を出た。
「よし、鍵も締めたし、……………んー、」
やはり熱があるのか、郁美は鍵を閉めてすぐに座り込んでしまった。
「うわっ、……えっ、……
愛馬さん?ちょっと、愛馬さん、そんなとこでなにしてるの?風邪引くよ?」
家を出た恭太は郁美の存在に気づき、近寄った
「あ、刑事さん、おはようございます」
「いや、普通の日は刑事さんって呼ばないで欲しいんだけど」
「あ、すいません、えっと、貝塚さんでしたね」
郁美はゆっくり体を起こし、「学校行ってきます」と言って、階段を降りていこうとしたが
「あぶねっ、……ちょっと、大丈夫?」
郁美は、バランスを崩し落ちそうになったが、恭太に支えられた
「あ、すいません、大丈夫です」
「君、大丈夫ばっかりだね、こんな熱いのに大丈夫なわけないじゃん、ちょっといい?」
恭太は郁美をお姫様抱っこしながら部屋に戻した。
郁美はというとそのまま意識を失っていた。
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2時間後
「んっ、ここ、、、私の部屋?なんで」
郁美はベッドから起き上がり机に置いてあるメモを見つけた
"目が覚めたらここに連絡して
080-45〜"
「だれ?あ、翔子かな、きてくれたんだろうか
名前くらい書いてくれてたらいいのに…とりあえず電話するか」
プルルル、プルル…ガチャ
「はい」
「……えっ、(男?)あ、間違いました、すいません「ちょっと待って、俺だから」
「えっ?」
「貝塚です」
「え、あ、はぁ、……………え、なんで」
「そっち行くからじっとしててください」
「はい」
がちゃ。
「あ、えっと、すいません、また迷惑かけちゃったみたいで」
「別に、今日非番だし、呼ばれたら行かなきゃだけど」
「あ、休みの日なのに、ごめんなさい」
「いいって、それより、体調どう?」
「あ、はい、大丈夫です。私、学校行かなきゃ」
「ちょっと待って、そんな体で行ってらっしゃいとでもいうと思う?」
「いや、でも、今日は行かなきゃ…行かなきゃ後悔するんです」
「いや、治ってからでいいでしょ」
「いや、だから、今日「心配なんだよ!」
「………え?」
「ごめん、おっきい声出して、俺、君のこと、こないだの事件から知ってる。一般人に個人的な感情を出すことなんて、ダメではないけど、おかしいだろ、でも、やっぱり、心配なんだよ、君がずっと強がってて、人を頼ろうとしない感じ」
「……………」
「なんか言ってくれないの」
「え、あ、はい、、、、でも、今日は本当に行かないと、、、後悔…用事を済ませたら帰ってきます。それじゃダメですか」
「………わかった、じゃー、送ってく」
「え、」
「なに」
「いや、いいんですか、こんな、赤の他人」
「他人って言ったって、お隣さんになったんだし、知り合いだし、半分友達みたいなもんだよね」
「(そんなこといつ決まったんだろ)はあ、、、
でも、本当にいいんですか?」
「って、さっきから言ってるけど」
「じゃー、、、お言葉に甘えさせていただきます」
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応接室
ガラガラがラ
「郁美ちゃん?」
「おばさん、お久しぶりです」
「郁美ちゃん、会いたかったわ、元気にしてた?」
「はい、でも、今は、ちょっと体調を崩してて」
「あらそうなの?でも来てくれたのね」
「はい、友達が、今日の講演会のチラシを見せてくれておばさんが載ってたので、会っておかないと後悔するかもしれないと思って」
郁美がおばさんと呼ぶひとは、郁美の父親の姉に当たる北村 美智子
「ありがとう」
「おばさんには感謝してるんですよ。母が亡くなって、第二の母のように育ててくれたんですから」
「そんな、結局最後まで見てあげられなかったのに」
美智子の旦那は郁美のことを嫌っていたのだ、郁美はそれを察して自分から出て行くと決めた。
「おばさんに会えてよかったです。では私はこれで」
「郁美ちゃん、元気でね」
「おばさんもね」
郁美の体は限界が来ていた、が、外にいる恭太のところまでは行かないとダメな気がしていた。恭太は車から降りてタバコを吸っている。
「あ、もうよかったの?」
「はい、はぁ、はぁ、すい、ません、お休みの日、にこん、な「あ、ちょっと」
郁美は膝の力が抜け地面に倒れそうになったが、恭太に支えられた。
ジャーーー(水の音)
「ん、だれ」
「あ、起きた?」
「え、貝塚さん?」
郁美は、目の前にいる人物に驚きベッドから起き上がろうとした。
「あ、まだねてないと、熱下がってねーんだから」
「大丈夫です」
「ったく、無理をするにもほどがある」
「すいません、会うたびに迷惑かけて」
「君、ご両親いないんだよね?」
「え?」
「あ、いや、昨日、親戚のとこにいたって言ってたから」
「あ、はい。母はもともと、体が弱くて私が10歳の時に亡くなりました。父は、私が4歳の時に、事故だって言われてたんですけど、気になって調べてみようと思ったんです。そしたら、親戚の家に新聞の切れ端が置いてあって、みると父の名前が載ってて………
殺されたんです」