もうすぐで、入学式が始まる。

翔世の前の席の子は、まだ来ない。



出席番号順に、廊下に1列に並ぶ。


その時、ワイワイと騒がしいなか、翔世の声が耳に飛び込んできた。



「お、はりー!お前、遅いぞ!」



翔世が見る方へ、目線を変える。



サラサラした綺麗な黒髪。

純粋そうな、濁りのない澄んだ目。

色白で、学生服の似合う童顔。



塩顔で、純情そうな男の子が、そこにいた。



針谷 雄飛(はりたに ゆうひ)君、
あだ名は、はりー。



それが、私と君の出逢いだった。