え、それって…、どういう…意味?


戸惑う私に、翔世は何も言わずに、どこかへ行ってしまった。


顔が、かぁっと熱くなるのが分かった。


「桜花!もう、外に出るってよー!」


はっとすると、亜咲が背カバンを背負って立っていた。

もう既に、まわりに人はいない。


「う、うんっ!」

あわてて下に下りる。

さよなら。
教室も、この机も、イスも。


全力疾走して、息切れしたままげた箱に着く。そこに、彼…はりーがいた。


背カバンに、上ばきを入れてて、でも入らなくて、あわててるみたいだった。


そんな君をみることも、もうないんだなぁ。


上ばきから靴に履き替えようと、靴に手をかけたとき、すっと、目の前に手が出て来た。





その手のひらには、第2ボタンがあった。