卒業式が終わったあとの教室は、にぎやかだった。

このあと、後輩や先生たちが、アーチを作って校門まで見送ってくれる。


それまでの、最後の時間だった。



今しかない。


私は、既に壊れそうな心臓を、そっとなでた。


私は、亜咲に、翔世から、彼の第2ボタンをもらってくれるように、たのんでもらった。


翔世にはバレるけど、仕方ない。

自分でもらいに行く勇気なんて、ないから…。