でも、亜咲が粘り強く私を押すので、私は彼に手紙を書いた。



ごくありふれた内容だった。



1年のときに好きになったこと。

2年のときに、県大会を観に行ったこと。

3年になった今でも好きなこと。



全部全部を、想いを込めて書き綴った。



京都と奈良の建造物なんか、どうでもよくなるほど、緊張して2日間を過ごした。



自分で渡しに行くのはどうしても無理だったので、亜咲に渡してきてもらった。



旅行が終わったあとも、しばらくは緊張したまま毎日を過ごした。