そんなある日。


亜咲と翔世君が着替え終わるのを、げた箱ではりー君と二人で待っていた。



いつもすぐ来るのに、その日はなかなか来なかった。


沈黙が続くのが耐えられなくなり、私は笑顔で彼を見て、言った。



「レクの本番、もーすぐだね!」



彼は間を置いて、答える。



「ああ。」



本当にクールだなぁ。

まぁ、もうすぐで二人も来るだろうし、話を続けなくてもいいかな…。

そう思った時、彼が口を開いた。



「ほんとに、いつもニコニコしてるよな。お前見てると、俺も笑えてくるわ。」








カシャーーーン………。








その時、私の背カバンに付いていた、ガラス玉のキーホルダーが落ちた。


ガラスの割れる音が、あたりに響く。






その音は、私が彼に、恋に落ちた音に聞こえた………。