彼が優秀だというのは、本当だった。



翌日の全国統一テストで、なんとひと桁の順位だったのだから。140人中、8位。



だから、私の彼の第一印象は、“「頭のいい子」”だった。

よく言えば、羨ましい。悪く言えば、近寄りがたい。



それに、彼は人見知りらしく、翔世と亜咲が相手なら普通に話しても、私とは最初、目すら合わせてくれなかった。



でも、ようやく話せそうになった頃、席替えが
行われて、彼とは顔を合わすことすらなくなった。



この時、彼と話したマトモな会話はなかった。