「……」

少し周りを見渡す。


ここをこんなにじっくり見たことないからなぁ。

何故かあるキッチンに、テレビに私が今座ってるソファ。

……家か。

あ、家なのか。みんなにとっては。

今までの総長たちもここで過ごしてきたのかと思うとなんだか不思議。

会ったことも見たこともない人がいた場所に今自分がいる。


けど、みんなを救った人。


そんな人たちと同じ空間にいれるのが不思議だ。

本当に。


「……?」

なんだろう、あれ。

テレビ台の下に雑誌のようなものがある。

気になったので少しそれを引っ張り出す。


………まぁ、男の子だもんね。


私はそれをそっと元の位置にしまった。


「あ、おかえりなさい!」


するとドアの向こうから下っ端の子たちの声が聞こえる。

……帰ってきたのかな?


「陽葵、来てますよ」


一人の子がそう言うとすぐにドアが開いた。


「陽葵……」

「久しぶり、……って2日ぶりか。」

一番最初に入ってきた陸に言う。