話し終わると明人さんはやっぱり難しい顔をしていて。



「………そうか」



それ以外は何も言わなかった。




「失礼致します」


そして明人さんを残して部屋を出ると、夏目が待っていた。


「………おはよう」

「おはよう」

と言ってももうお昼。
随分話し込んでしまった。

夏目はなんだか、怒っている。


「………どうして怒ってるの」


そう聞いても黙ったまま何も言わない。


かと思ったら私の腕をつかみぐんぐんと歩いて私の部屋に連れていくと、私を部屋に放り投げてどっかへ行った。


「………」


なんだろう。

何か怒らせるようなことした…?


………わからない。


ガチャッ

すると夏目が救急箱をもって部屋に戻ってきた。

「………脱いで」

「………大丈夫だよ」

とは言ったものの、この夏目の様子じゃ聞かないんだろうなと思って私はジャケットを脱いでネクタイを緩めた。