翌日。
私は目が覚めると制服ではなくスーツに着替えた。
一応、報告だ。
歩いて本家に向かう。
………明人さんは私が烏丸から全部聞いていたってことは知らないから、烏丸って名前もなにも私には言ってこなかったが。
昔から言われていた。
烏丸の特徴。
もしそいつに万が一会ってしまったらすぐに知らせるように。
この前来たばかりなのに、またすぐ帰ってくることになるとはな。
朝早いから外には誰もいない。
私は中に入ると真っ先に明人さんの部屋に向かう廊下を歩いた。
………用は明人さんにあるしね。
「……陽葵?」
と、その時丁度後ろから声がした。
「……夏目。おはよ」
夏目か。
早いな。
「おはよう……何してるんだ?」
まぁ、そうなるよね。
「ちょっと明人さんに用事」
私はそれだけ言うと明人さんの部屋に向かった。
ごめんね夏目。
…多分明人さんはもう起きて朝ごはんも食べ終わってる頃だろう。
私は明人さんの部屋のドアを叩いた。
コンコン、
「おはようございます、陽葵です」
「陽葵?入れ」
するとすぐに返事がし、中に入れてもらえた。
「どうした、こんな朝早くに」
明人さんは不思議そうに私を見る。