「離せ!!!」



私は必死に抵抗し続けた


 
そんな私をお父さんは何度も何度も打った



「やめろ!!!
 離せ!!!」




「うるさい! 
 お前なんかが生まれて来なきゃよかったんだ!!」




「ふざけるな!!
 離せ!!!」



そんな時だった




バン!!!!




勢いよく開いたリビングの扉



「桜!!!」



そこで、私は意識を失った




目を覚ますと



ほのかに香る薬品の匂いで




ここが病院だとすぐに分かった




「桜???」



目を覚ましてすぐ




ヒロくんの声が聞こえた



「ヒロ………くん」



「桜」



「近寄んないで!!」




私はお父さんの事で男の人が怖くなった



大好きなヒロくんでさえ怖かった



近寄られるのが今でも怖い



「桜」



「お母さん」



「桜、怖い思いさせてごめんね
 本当にごめんね」




ヒロくんの後に入って来たお母さんが



私を抱きしめて泣きながら



謝るのを今でも覚えている