ヒロくんといると時間が経つのがすごく早い




だって、もう学校の門の前まで着いちゃった



下駄箱の場所が違うヒロくんとは



下駄箱のある玄関でお別れ




寂しい




放課後また会えるのに




「じゃ、桜放課後迎えにいくね」




それだけ言ってヒロくんは自分の上履きがある下駄箱へと姿を消した





さっきまで楽しかった笑い話も




今じゃ嘘みたいに静か




そんなどんよりした時だった




「さーくら!!!」



突然背中に衝撃が走った




今、心臓止まるかと思った



そう思い胸に手を当てながら振り返った




「唯奈ちゃん!!」



そこには小学校からの親友の




浦咲 唯奈ちゃんがいた




「桜、おはよ」



「おはよじゃないよ!
もう、びっくりして心臓止まるかと思った!!」




そう訴えると



ごめんごめんと笑いながら言う唯奈ちゃん




絶対悪いと思ってない



そう睨みつける私



「そんな顔したって怖くない」




そう言って私の頬を引っ張る唯奈ちゃん



地味に痛いんだけど



この子、地味に力強いんだけど