「桜、このままでいいの?」
地面を突きつける雨を見ていると
隣から聞こえた不安そうな声
「私がヒロくんを避けてしまったのに
今更、どうしたらいいのか分かんない。」
「桜は、陽斗くんの事好き?」
「大好きだよ。」
「でも、それは幼馴染みとして??
お兄ちゃんとして?」
あまりにも真剣な表情の唯奈ちゃん
だけど、私は唯奈ちゃんの質問に答えることは出来なかった
今まで、ヒロくんの事大好きだったけど
それがどういう好きなのか考えた事がなかった
いつも当たり前に隣にはヒロくんがいたから
考える暇もないくらい幸せで楽しかった。
もう、あの日に戻れないのかな?
「ヒロくんに会いたい」
私はポツリ
そう呟いた