そして、その日は
スイーツバイキングに連れて行ってくれた
甘いものが得意じゃないヒロくんは
ビターな小さなケーキひとつとブラックコーヒーを飲んでいた
そんな、私と唯奈ちゃんと李緒くんは
沢山のケーキやプリンといった甘い物を食べた
帰る頃には空は沈みかけ
オレンジや赤などのグラデーションの空をしていた
そして、唯奈ちゃん兄妹とは
駅のホームで分かれた
学校から少し離れた場所まで行っていたから
帰りは電車になってしまった
「ヒロくん、今日はありがとう。
甘い物得意じゃないのに付き合ってくれて
あと、お金もありがとう」
2人で電車を待っている間
ヒロくんの目を見てお礼を言った
結局、自分の分を出そうとしても
ヒロくんは受け取ってくんなかったし
私の分のお金を出してくれた
「いいんだよ。
気にするなよ。
今度、桜が作ったプリン作ってよ」
申し訳ない気持ちでいっぱいな私に気づいてか
ヒロくんは笑ってそう言ってくれた
「分かった!!!今度の土曜日に作るね!」
ヒロくんは私の作ったプリンなら
食べられるって昔のバレンタインの時に言ってくれた
そして、いつしかそのプリンが
ヒロくんの大好物になった
それが何故かとても嬉しかった