さっきまで鮮明に見えていた星も、じわじわと滲んでどれがどれだか分かんない。


「無くなって……っ…無くなって初めて大事な…大事な存在に気づくの…っ」


今だっておかあさんがどんな状態か分かんない。また、倒れているかも。


声を抑えて泣いていると、ふわっと頭に遊の手が乗った。


「詩乃はまだ、無くなってない。まだ、チャンスはあるから」


その声はとても切なく甘い声で。どこか遠くを見ているようで、涙が止まらなかった。


泣きじゃくる私を慰めるように遊はそっとキスをした。


「遊……ごめんね…本当は私が支えなきゃいけないのに…っ」