さっきまで結月ちゃんの腕の中だったのに今では何故かあの人の腕の中にいた。
……え!?これやばいかんじだよね!?
私達を見ていた周りの女子からはキャーッという悲鳴が一斉に起こった。それはもううるさいくらいに。それだけでこの人がどれだけ人気なのか、わかった。
結月ちゃんは、ぐぬぬ、と何か言いたげにこの人を睨みつけるばかり。
結月ちゃんが言い返せないなんて珍しい……ていうか助けて…!
「じゃあ、借りるね」
「…ふん、勝手にすれば!」
………え??結月ちゃん、今勝手にすればって言った…??えぇぇえ!!?