なんて微笑ましくなった。
「じゃあ、私、先に行くね?結月ちゃんは先生と一緒にどうぞっ」
コソコソと結月ちゃんに耳打ちすると、私は勉強道具をまとめて反対側のドアから出た。
「結月ちゃんばいばーい!先生、さようなら」
我ながら気の利くことをしたな〜
「ぐぇっ!」
不気味にもにやにやしながら小走りに廊下を走っていると、曲がり角で人とぶつかった。
運良く倒れることは無かったがかなりの衝撃だった。
「す、すいません…っ」
「詩乃、俺だから。落ち着いて」
その声にハッとして顔を上げると、少し焦った表情をした遊が立っていた。
わ…遊…久しぶりだ……