「アイツはこの学校じゃ王子様って言われて女子にキャーキャー言われてんの。ちょっと顔がいいからって!確かに運動神経もいいし、頭もそれなりで…非の打ち所あんまないけどさ!」


妬みを言ったと思えば、今度は相手を褒めたり。ペラペラと語り出した結月ちゃん。



わぁ、結月ちゃん、なんだかいつもよりお喋りさん…


「結月も言うようになったね?」


「げっ…!遊、学校では話しかけないでって言ったじゃん」


結月ちゃんは語りに集中してしまって、あの人が後ろまで来ていることに気が付かなかったらしい。あの人のことを見て心底嫌そうな顔をしている。まるで知り合いのような口ぶりだった。



「それより結月、その子貸してもらえる?」