交差点で足を止めて赤信号が変わるのを待っていると、
「酒井くん。」
と後ろから声を掛けられ、俺は反射的に振り返った。
「あ…」
俺を真っ直ぐ見上げていたのは、今泉さんだった。
「何?」
「あ…うん。見かけたから。」
「そう。」
「……」
「……」
信号が青になり、俺たちはどうせ同じ方に進むのでそのまま何とはなしに隣り合って歩いた。
「酒井くんさ…」
不意に今泉さんが俺の名を呼ぶ。
「荻原くんの友達の女の子に会うの?」
「え?」
「あ、えと…さっき話してたの、聞こえちゃって。」
「あぁ…」
荻原のヤツ、デカイ声で話すから周りに丸聞こえじゃねぇか…
「いや。会うつもりないよ。」
「ホントに?」
今泉さんが俺の顔を覗き込む。
(…何食いついてんの?)
意外な行動に面食らう。
「なんで?」
「えっ!!」
俺が問うと思いがけず今泉さんがひどくたじろぎ、足を止めた。
「何?」
「……」
俺も足を止め再び訊ねると、今泉さんがあからさまに顔を背けた。
「……」
「……」
「酒井くん。」
と後ろから声を掛けられ、俺は反射的に振り返った。
「あ…」
俺を真っ直ぐ見上げていたのは、今泉さんだった。
「何?」
「あ…うん。見かけたから。」
「そう。」
「……」
「……」
信号が青になり、俺たちはどうせ同じ方に進むのでそのまま何とはなしに隣り合って歩いた。
「酒井くんさ…」
不意に今泉さんが俺の名を呼ぶ。
「荻原くんの友達の女の子に会うの?」
「え?」
「あ、えと…さっき話してたの、聞こえちゃって。」
「あぁ…」
荻原のヤツ、デカイ声で話すから周りに丸聞こえじゃねぇか…
「いや。会うつもりないよ。」
「ホントに?」
今泉さんが俺の顔を覗き込む。
(…何食いついてんの?)
意外な行動に面食らう。
「なんで?」
「えっ!!」
俺が問うと思いがけず今泉さんがひどくたじろぎ、足を止めた。
「何?」
「……」
俺も足を止め再び訊ねると、今泉さんがあからさまに顔を背けた。
「……」
「……」