キーンコーンカーンコーン…

授業終了のチャイムが鳴る。



「ピカル、帰ろう。」



物理の次の英語が終わり、今日の授業はこれで全て終了。

テキストをバッグに納めて、英語を一緒に受けていたピカルを誘う。



「あ、酒井悪ぃ。ちょっと先生に訊いていきたいとこあるから先帰ってて。」

「そうか。」



俺は1階の講師室の前までピカルと降りて

「じゃあな。」

「あぁ、また明日。」

と、別れた。



外に出ると、夜風はすっかり冷えて冬めいていた。



(コート出そう…)

そんなことを思いながら両手をブレザーのポケットに突っ込み首を竦める。

そして一人駅までの道程を淡々と歩を進めた。