翌週。



「じゃあな。」

「おぅ。」



いつものようにピカルと別れ、4A教室に足を踏み入れる。



「よぅ。」

「おつー。」

「あぁ。」



物理クラスの奴らともいつもの挨拶を交わし、いつもの席に向かう。

が、今日は席に辿り着く前にがしっと肩を捕まれた。



「荻原、うっとおしい。」



俺は荻原の手を払い除けようとしたが、荻原は更に肩を組んできた。



「なぁ。リコちゃん、まだお前に未練あるみたいだぞ。」



(またその話か…)

俺は小さく溜め息を吐いた。



「俺リコちゃんに連絡取ってやれるからさぁ、ちょっと付き合ってやれよ。」

「荻原、俺…」

「リコちゃん、可愛いと思わねぇ?」

先週同様「思わない。」とも言えない。



「……」

「後でラインのID送っとくからさ、何か誘ってあげて。」