「泣けるだけ泣いたらいい」




ハルキはそう言って……優しくあたしの頭を抱きしめる。

反射的にハルキから離れようとしたが、ぎゅっと頭を胸に押し付けられて、不覚にもハルキの広い胸を堪能することになってしまう。

誠よりも痩せているが、筋肉の付いた男らしいその胸に埋もれて、あたしの頭は再び沸騰しそうになる。




ハルキ、わざとやってるの?

あたしが狂ってしまいそうなこと、分かってやってるの?







「泣き終わったら、俺が笑わせてやる」



「……え?」



「俺はあいつみたいにアンタを泣かせたりしねぇ」



「……馬鹿」





あたしは、ハルキの胸に顔を埋めてわんわん泣いた。

街行く人の視線すら気にならず、大粒の涙を零した。