気付いたら、頰を大粒の涙が伝っていた。 そして、ようやく実感した。 あたしと誠は、別々の道を歩み始めたということを。 誠…… 今までのあたしの人生は誠のためにあったんだよ? 誠のお嫁さんになることが、あたしの夢だったんだ。 それががらがらと崩れた今は、周りが色を失ったみたいで、ひどく空虚だ。