わなわな震える身体を押さえて、必死に平静を装う。 こんなあたしに、ハルキはとどめの言葉をかけた。 「あいつ、こっち見てたぞ」 「……は?」 「あの、浮気男」 ハルキ、気付いていたんだ。 気付いていて、わざとやったんだ。 確信犯だ、この男。 心臓はまだバクバク音を立てていた。 身体もガクガク震えている。 「意外と純粋なんだな」 そう言ったハルキを思いっきり睨んでやった。