「美咲!出かけるけど、絶対戻るから!!」
如月ユイカの会見を見てすぐ、遥希は立ち上がってジャケットに袖を通す。
そんな遥希を、泣きそうな顔で見上げる。
「あたしたち……どうなるの?」
思わず聞いてしまった。
それでも遥希は、
「なるようになる!」
としか答えない。
遥希はすごく慌てているように見えて、あたしたちの置かれている状況が良くないことを悟る。
こんな時、大人らしく振る舞えたら良かった。
浮気した誠に別れを告げた時のように。
だけどあたしは、醜く遥希にすがりついていた。
「嫌だよ!」
声にすればするほど、恐怖が襲ってくる。
「遥希から離れたくない!」