遥希は難しい顔をして、首だろうなと言う。




「それでもいいと思っている。

例え贅沢が出来なくても、そういう幸せを大切にしたい」





遥希の一言一言に胸を打たれる。

そして、遥希はこうもあたしを大切にしてくれているのだと改めて思う。

そんなあたしは、すごくすごく幸せ者だ。





でも、思う。




「遥希がいなくなったら、みんな悲しむよ?」




ファンも、TODAYの四人も。

だから、引退なんて考えちゃいけないんだ。





遥希はあたしを見て笑う。

キラキラスマイルでもなく、意地悪な笑みでもない、普通の優しい笑顔。

この笑顔が大好きだ。

あたしは、もう二度と遥希と離れたくないと思った。