シャンプーか香水か分からないようないい香りと、微かな体臭が鼻を突く。
あたしの背中を優しく抱き止めるその腕は力強く男らしい。
間近で視線がぶつかり、アタマの中が発火するように燃える。
いけない、こんな胡散臭い男なのに。
あたしはハルキに狂わされている。
「危ねぇな」
ハルキは相変わらず低い声で呟いた。
「男の趣味も足元もふらついてるし。
俺が守ってやらないといけねぇな」
「……はぁ!?」
何だその、超ナルシスト発言!
「お前は黙って守られてろ」
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