「飯、食いに行くか」




ハルキはあたしに言う。

黙って頷くあたし。

悔しいけど、完全にハルキのペースだった。





ハルキはポケットに手を突っ込んだまま歩き出して、慌てて後を追うあたし。

ハルキと並んで思った。

ハルキは痩せていて、背が高い。

まるでモデルのようだ。

スタイル抜群で、自称イケメン。

だけど、性格が悪けりゃね



……そう。

ハルキはきっと、性格が悪い!






そう思うのに、



「……ッ!」



ふらついてよろめいたあたしに、咄嗟にハルキの手が伸びる。

バランスを崩したあたしは、まるでドラマのようにスマートにハルキに抱きとめられて……

不覚にも、ドキドキした。

心臓が止まるかと思った。