「あっ、ハヤテちゃんお行儀が悪いよぅ」


入江くんは私が食堂で買ったたこ焼きを一つ口に放り込んだ。


「だって俺、腹減ってんだから仕方ねーだろ」

「いいよ食べて食べて。そのためにたくさんたこ焼き注文して来たんだから。たこせんはおやつなんだよ、だから先にこちらをどうぞ」


私は3パック分のたこ焼きを買っておいたのはその為だ。今日は学校の食堂でたこ焼きパーティといこうじゃないか。


「悪いな篠田。俺、今朝朝練があったから腹減ってんだ」

「いいよ。リイちゃんも遠慮しないで食べててね」

「えへへー、実はあたしもお腹減ってたんだぁ」


リイちゃんは両手を顔の前で合わせて照れながら微笑んでいる。

リイちゃんの可愛さにほだされた私は、リイちゃんのために美味しいたこせんを作ろうと心に誓った。


……とは言っても、たこ焼きはもうできてるし、私はただそれをえびせんに挟んで仕上げをするだけの簡単なお仕事なんだけど。