昼過ぎ、あまりがカフェに戻った時間、服部たちも配置についていた。

「すみません。
 今日はよろしくお願いします」

 服部が控え室で言ってくる。

 今回は、マスターに言わないわけにはいかなかったので、服部が伝え、動揺しそうにないメンツで店員も固めている。

 ひとり程、ウェイターに刑事も混ざっていた。

「昨日、この近くのビルに窃盗に入ったばかりなので、まだ犯人はそれを捌いていないと思われます。

 なかなか巧妙な奴で、住処がはっきりしないんですが。

 今、確保できたら、まだ自宅には盗品を所持していると思われます」

「あれ?
 うちのビルじゃなかったんですね」
と言うと、

「そうなんですよ。
 下見は犬塚さんの会社だったと伺ったんですけどね。
 何故か急に変えたみたいで」
と服部は首を傾げている。

 ともかく、よろしくお願いします、という服部に、あまりは、イヤホンを耳につけた彼らを見て、
「それ、やったままなんですか?」
と訊く。

「いや、目につく位置に配置する者は外しますよ。
 目立つから」
と服部は言う。