そして、
「さっきの防犯ブザー貸しなさい」
と手を出してくる。
「なっ、なんでですかっ」
「あんた、ほんとに鳴らしそうだからよ。
支社長が彼女の家で警察呼ばれるとか大恥よ。
っていうか、あの男前の店員、あんたにそんなもの渡すなんて、あんたに気があるんじゃないの?」
と言ってくる。
「いや、成田さんみたいなモテる人が私なんか好きになるわけないじゃないですかっ」
と言うと、
「わかんないわよ。
私の自慢の生徒で、自慢の弟の海里もあんたを好きになったじゃないの」
と言ってくる。
いや、そんな、海里さんが私を好きとか……
いやいや……
いやいや……。
あのとき耳許で、
『愛してるよ』
と囁いてきた海里の声を思い出してしまう。
あのときは、動転していたので、頭までその意味が入ってこなかったのだが。
「ちょっとっ。
なに呑気に赤くなってんのよっ。
傷心の私の前で、デレデレするとかいい度胸ねっ。
それ、没収ーっ」
と防犯ブザーを取り上げようとする。
「さっきの防犯ブザー貸しなさい」
と手を出してくる。
「なっ、なんでですかっ」
「あんた、ほんとに鳴らしそうだからよ。
支社長が彼女の家で警察呼ばれるとか大恥よ。
っていうか、あの男前の店員、あんたにそんなもの渡すなんて、あんたに気があるんじゃないの?」
と言ってくる。
「いや、成田さんみたいなモテる人が私なんか好きになるわけないじゃないですかっ」
と言うと、
「わかんないわよ。
私の自慢の生徒で、自慢の弟の海里もあんたを好きになったじゃないの」
と言ってくる。
いや、そんな、海里さんが私を好きとか……
いやいや……
いやいや……。
あのとき耳許で、
『愛してるよ』
と囁いてきた海里の声を思い出してしまう。
あのときは、動転していたので、頭までその意味が入ってこなかったのだが。
「ちょっとっ。
なに呑気に赤くなってんのよっ。
傷心の私の前で、デレデレするとかいい度胸ねっ。
それ、没収ーっ」
と防犯ブザーを取り上げようとする。