「支社長だってそうですよ。
 顔が良くて、権力もあって、仕事も出来て。

 高飛車で、偉そうだけど、ちょっと憎めないところもあるなんてっ。

 側に居て、好きにならないわけないですからっ。

 きっと、モテモテで、みんなを困らせてる悪い奴なんですよーっ!」
と今まで心の中に巣食っていた不審感を吐き出すように主張すると、草野が、

「……いや。
 あんた、それ、支社長のこと、好きなんじゃないの?」
と言ってきた。