海里は、なんとなく成田と電車で帰り、じゃあ、と二人は別れた。

 家に戻って、ベッドに入り、考える。

 失敗した。

 早く決めるべきだった。

 別にどっちでも良かったじゃないか。

 頭だろうが、脚だろうが。

 ……でも、自分が抱えない方を成田が持つわけで。

 成田に、あまりの脚を持たせるとか。

 いやいや、頭を持たせるのも嫌だしな……。

 また悩み始める海里を、もし、秋月が見ていたら、
『だったら、ひとりで抱えればよかったじゃないですか』
と言い出すところだろうが。

 人前でひとりであまりを抱きかかえるとか。

 今の自分では、まだ出来そうにもない、と海里は思っていた。