そのあと、やっと一人になれたのはお風呂の中で。


湯船で身体を伸ばしながら、お姉ちゃんの妄想というか暴走から逃れられてホッとした。

でも、一人になって考えないようにしようとしても、浮かんでくるのは天道君の顔ばっかり。



初めて教室に入ってきた時の落ち着き払った姿。

初めて話しかけられた時の驚き。

初めて彼の優しさに触れた時の戸惑い。

一緒に駅まで帰る時に知った、人気者の彼の一面。

可愛い表情、拗ねた顔、照れて赤くなった………