無意識にカバンのポケットに入れていた定期に手を伸ばした時、


「美希ちゃん」


後ろから呼ばれて振り返ると、ニコッと笑った天道君が


「今日は一緒に帰ってくれてありがとね。
明日からもよろしくね」


そう言って私の頭にポンッと手を置いた。


その笑顔が、少しの寂しさを含んでるように見えたのは、私の気のせいだったのかな……。