と思って彼の顔を見上げると、


「エスカレーター、先にどーぞ」


と言われたので、素直に先にエスカレーターへと足を乗せた。


自然と繋がれていた手が離れて、寂しさが増した。

でも、私のすぐ後ろに天道君が来て、教室の席順を思い出したら、さっきまでの寂しさがあっさりとなくなった。


どうしてそんな風になるのか不思議で仕方なかったけど、2人して無言のままエスカレーターを上りきった。

と、目の前に現れた改札口。