" あんたなんか産まなきゃ良かった "
" さっさと消えればいいのに "
" あんた邪魔なのよ "
そう。
あたしは要らない子 ・・・
父親はあたしが小学校に上がる前、家を出てった。
その頃から母親は
あたしに手をあげるようになった。
「 あんたなんかっ・・・ 」
それでも母親が大好きだったあたしは
何年もの間ひどい虐待に耐え続けた。
お陰で身体は痣だらけ。
あたしが中学生になる頃には
母親は家に帰って来ない日が続いていた。
きっと、男のとこだろう。
解放された ・・・
でも・・・
・・・これからどうやって生活していけばいいの・・・?
「 由良ちゃん ・・・?」
そう声をかけてきたのは
お隣のおばちゃん。
「 由良ちゃん何かあったの?・・・ちゃんとご飯食べてる?」
心配そうに聞いてくるのも当たり前だろう。
あたしはここ最近何も喉を通らなくて
野菜ジュースしかお腹に入れてない。
「 ・・・おばちゃんっ。」
あたしはきっと、
ずっと誰かに必要とされたかったんだ。
助けて欲しかったんだ。
「 由良ちゃん!うちにいらっしゃい!」
おばちゃんはそう言うと
あたしの肩を抱いて家に招き入れてくれた。
「 すぐご飯作るからねっ 」
人に優しくしてもらったの
いつぶりだろう。
人に笑いかけてもらったの
いつぶりだろう。
・・・・・・っ。
温かい涙が頬を伝う。
「 ・・・由良ちゃん ・・・ お家で何かあったのね?おばちゃん力になるから話してごらん?」
「 ・・・っ。お父さんとお母さんに ・・・ あたしっ
捨てられちゃったっ。要らない子なんだって。・・・っ。」
おばちゃんは話してる間
ずっと背中をさすってくれていた。
「 ・・・ 由良ちゃんは要らない子なんかじゃない。この世に要らない人間なんて1人も居ないのよ。」
おばちゃん ・・・
「 例え大好きだった人に置いてけぼりにされたとしても 、あなたを愛してくれる人は必ず居るはずよ!・・・おばちゃんだって由良ちゃんのこと大好きよ?」
「 ・・・っ。おばちゃん、ありがとっ。」
「 今まで辛かったね、苦しかったね ・・・ けどね、もう大丈夫。おばちゃんが由良ちゃんの面倒見てあげるから!」
・・・ そんなの迷惑かけるに決まってる ・・・
「 でっでも!・・・ 」
するとおばちゃんは真剣な顔をして
「 由良ちゃん?こういう時は素直に甘えるの。おばちゃん迷惑だなんてこれっぽっちも思ってないんだから!」
そう言ってぎゅーーっと抱きしめてくれた。
「 うんっ。うんっ。おばちゃんのとこに居たいっ。」
「 よしっ!おばちゃん今日は張り切ってご飯作ってくるわ ♪ 」
そう言い残し、おばちゃんはキッチンに消えてった。