「うぜぇ、喋んな」
「巴稀、イケメンな顔が崩れてる」
胸ぐらを掴まれても余裕のある表情なのが本気で俺をイライラさせる。
「陽葵のせいだろうがっ」
2人だけの部屋で俺の声が響く。
目の前で陽葵は目をパチパチさせてる。
「…すまん言いすぎた」
俺はそっと陽葵のブラウスを離し、冷静になる。いくら何でも今のはやり過ぎた。
「いや、私こそ巴稀からかってごめん。あのさぁ…」
何?
「この空気、嫌じゃない…ですか?」
あぁ…嫌だよ。すっごい嫌。だってこいつ…
「私たち、」
「「双子だし」」
思わず声が揃ってしまった。