「んじゃあ、俺がもらっちゃお〜」



「は?」



俺がもらうだと?ふざけんな。



「お前、好きじゃないんだろ?だったら、いいじゃん」



「…はぁ?意味わかんねぇんだけど。お前はやま…「だって、水沢ちゃん反応とか超可愛いじゃん」




反応が可愛い…なんてそんなの知ってる。


あんなにいつもはサバサバしてんのにすぐ顔赤くなるし、超絶可愛くてツボ…って俺は何言ってんの。



でも、なんでそれを将司が知ってんの?




「俺さ、夏休みお前と公園の前ですれ違った日あるじゃん?」



すれ違った日…といえば、俺があのクズ男と会った日だ。



俺は真心を一人公園に置いて家に帰り、やっぱり心配になって迎えに行ったときに将司とすれ違ったんだ。




「ああ…」



「あの時にお前が公園に行く前に俺水沢ちゃんと二人きりで話してたんだ」




……なんだよ、それ。



井原の次はお前かよ。
…ったく、なんなんだよ、どいつもこいつも。





「そのときに反応に惹かれちゃってさー、だから楓希が好きじゃないなら俺がもらうな」



「………り」




「え?」




「無理だっつってんだよ」


頭が熱のせいでガンガン痛いけど、今はそんなの気にしてられない。



井原にも奪われそうで怖いのに将司になんて渡せない。



アイツだけは…ダメだ。