なのに…俺はアイツに何してんの?
最近の俺は自分でも思うほど頭がおかしい。
井原と仲良さそうにしてるのが無性にイライラして許せなくて、
自分も“ふぅちゃん”だなんて似合わねぇあだ名で呼ばせたり
泣く女は嫌いなのにアイツが泣いてるとほっとけなくて慰めてやりたくなったり
急に抱きしめたり…自分で感情をコントロールできなくて無意識的に体と口が動いて心と頭がついていかない。
今日だってそうだ。
抱きしめるつもりなんてサラサラなかったのに
気づけば、引き寄せて腕の中に閉じ込めてた。
ありえない、そんなの絶対ありえないのに。
そんなこと思いながら、天井の壁をジーッと見つめていると部屋のドアが開いた。
俺はドアの方なんて見ずにただ口だけ動かした。
「買ってきてくれてさんきゅ。でも、さっさと出ていけ」
こうでも言わなきゃ、俺はそのうち取り返しのつかないことをしてしまいそうだ。
「は?お前何言ってんの?熱で頭狂った?」
でも、俺の耳に届いた声は真心の声じゃなくて将司の声だった。
「あぁ。そうかもな」
熱のせいで、今日真心にあんなことしてしまったんだ。
そう、全ては熱のせい。
それ以前にあったことは……何かの間違ってことにしよう。