「早く行かないとみんな心配するから行かなきゃ…!」




あたしの頭の中は早くこの状況から抜け出さなきゃ、ということを考えていた。



ほんとに心臓がもたない……。




「ん…分かった」




ふぅちゃんはきちんとあたしのファスナーを上まであげて、



満足そうに微笑んだと思ったら、最後はあたしの頭の上にぽん、と優しく手を置いてみんなの元へ行った。




な、なに今の……



そんなことされるなんて思ってもなかったあたしのドキドキはもう最高潮に達している。



しばらく、その場から動けなくて遠くの方から聞こえてきた「まーこ!」と叫ぶ果歩の声でハッ、と我に返った。




「あ!今行くー!」




取りに来た浮き輪を持って早歩きで果歩たちの元へと向かう。



だって、プールサイドは走っちゃダメでしょ?



ふぅちゃんが触れたところがジンジンと熱を帯びて熱い。



あー…もう!!


早くプールに入ってなかなか引かない熱を冷ますことにしよ……!